今回は、神戸港を行き交う船を眺めているときにふと疑問に思った「船の燃料補給」にフォーカスし、
調査してまいりました!
《今回の疑問1》船舶の燃料ってなに?
普段家庭用自動車を運転する筆者にとって、燃料と言ったら「ガソリン」の一択ですが、
調べてみたところ船舶の燃料は主に「重油」と「軽油」。
大型の船は多くの燃料を要するため、比較的安価な「重油」を使い、
中小型の船は「軽油」を使用することが多いのだそう。
《今回の疑問2》船舶はどうやって給油しているの?
私たちがイメージしやすい給油場所といえば、「ガソリンスタンド」。
じつは、港湾にも同じ役割をもつ「船舶給油取扱所」と呼ばれる施設があり、
プレジャーボートなどの小型船はこちらで給油することができます。
しかし、大型船など、その場所に着岸できないお船は大多数。
その際に活躍するのが「給油船」です。なんと、船から船へと海上で給油できるのです。
気になる海上での給油について、神戸港を拠点ん位給油船を運航している
コベルコグループ 昌和鉱油㈱様にインタビューをしました!
Q. 御社の給油船について教えてください。
A. 3隻の給油船を稼働させ、内航船、外航船、作業船、官公庁船等
さまざまな船種への給油に対応しています。
- 第11昌和丸
- 第12昌和丸
- こうべあぽろ
Q. 給油作業の流れを教えてください。
A. お客様のオーダーを受けると前日に納入先の船舶と
納入場所、時間、接舷方向等について打ち合わせを行います。
給油船はエネオスの堺製油所まで重油を仕入れに行き、
製油所から船のタンクに積み込んで、 大阪から神戸までの動線を生かし
お客様へ納入していきます。
安全に海上の船舶へ接舷させ、海上流出に備えるためオイルフェンスを展張し、
給油ホースを相手船に繋げ、バルブ操作を慎重に手順に従って給油を行います。
私たちは、バンカーのプロフェッショナルとして安全、環境に配慮し作業を行っています。
Q. これまでのご経験で印象に残っている業務を教えてください。
A. 阪神・淡路大震災の際に、出務していた職員の話になりますが、
当時給油船1隻は、和田岬沖で給油中に地震に見舞われましたが、
まさか地震とは思わず、給油作業を継続したそうです。
携帯電話も普及していなかったため、岸壁に帰ってようやく地震だと分かったそうです。
係船岸壁も崩れ落ちていましたが、
他の給油船2隻は出航前で地震の影響は受けなかったそうです。
地震の後は、陸上ルートが寸断されたため、
給油船で食料や物資を大阪方面にて調達し、神戸へと運んでいたそうです。
- 練習船「海神丸」に給油する様子
- 外国船に給油する様子
給油船による給油作業は、沖の方だけでなく、岸壁に係留しているお船でもよく見られる光景なのだそう。ウォーターフロントエリアを散歩されるときや、船が係留している近くを通る際には、ぜひ探してみてください!















